令和6年度 愛媛県立東温高等学校入学式 式辞
2024年4月10日 14時36分 東温高校のグラウンドの桜がこの日を待っていたかのようにやっと満開を迎えました。その佳き日に、愛媛県議会議員 新田泰史様、東温市長 加藤章様をはじめ、たくさんの御来賓の御臨席を賜り、令和6年度愛媛県立東温高等学校の入学式が、このように挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びであります。御臨席を賜りました御来賓の皆様、ならびに、御列席をいただきました保護者の皆様に、心より御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可しました186名の新入生の皆さん、入学おめでとう。在校生並びに教職員一同、心から歓迎します。今日のこの日を迎えられたことは、皆さん一人一人の努力の積み重ねの結果であります。しかし、自分一人の力ではありません。これまで温かく見守り、育んでくださった御家族や先生方、その他、多くの方々への感謝の気持ちを忘れることなく、高校生活の一歩を踏み出してください。
本校は、昭和23年に開校して以来、東温市唯一の県立高校として、地域の方々に支えられ、今年度で創立75年を迎えます。二万一千人を超える卒業生は、地元はもとより、全国各地で活躍しています。
伝統ある東温高校で、3年間、勉学や学校行事、部活動に積極的に取り組み、将来、社会人になって力強く生きるための力を身につけ、自分の人生を支え続ける、かけがいのない思い出と仲間をつくってほしいと思います。
皆さん、池江璃花子さんという水泳選手を知っていますか?先日、今年行われるパリオリンピックの100mバタフライ予選で、3位とわずか0.01秒差の2位に入り、見事パリオリンピックへの出場を決めました。奇跡の0.01秒とも言われています。池江選手は水泳選手として全盛期を迎えていた5年前に白血病になり、過酷な闘病生活が始まりました。もちろん泳ぐことはできなくなりました。しかし、約1年の闘病生活で病気を克服し、水泳競技に復帰しました。白血病を克服する精神力だけでもすごいのに、その後血のにじむような努力を重ねてオリンピック出場を決めたのです。池江選手は「努力は必ず報われる」「神様は乗り越えられない試練は与えない」「私に限界はない」と言っています。「努力は必ず報われる」と強く信じているのです。「どうせ私なんか何をやっても無理」と何もしない人と、自分の夢を信じて一生懸命努力する人と、どちらが幸せでしょうか。「どうせ全国大会なんか無理」とだらだら練習しているチームと、全国大会を目指して懸命に練習しているチームと、どちらが幸せでしょうか。努力には夢があります。池江選手が、身をもって示してくれました。誰もが辛くしんどく後ろ向きになるときもありますが、「努力は報われる」と信じて前向きになって欲しいと思います。そして池江選手は「自分にワクワクしています」とも言っています。皆さんも夢に向かって行く高校生活にワクワクしてほしいと思います。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。これまで、愛情一杯に育んでこられたお子様の晴れ姿をご覧になられて、喜びもひとしおのことと存じます。私たち教職員一同、愛情と情熱をもって全力でお子様の教育に当たる覚悟でございます。本日お預かりいたしましたお子様を、三年後には、責任を持って行動し、創造性に富み、人を思いやる温かい心を持った「自立した18歳」に成長させたいと考えております。しかしながら、教育は学校の場だけで目的が達成できるものではありません。お子様の御成長と豊かな未来のために、御家庭での御指導と、学校との良好で緊密な連携を図ることが不可欠でございます。御家庭におかれましても、学校の様子を聴いていただきながら、お子様の成長を見守っていただきたい、と存じます。
新入生の皆さんの輝きある充実した学校生活と、たくましい成長を心から期待し、併せて、御臨席・御列席いただきました皆様方に、今後とも本校教育活動の充実・発展のために、御支援と御指導を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。