校長室より

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 東温高等学校のホームページにアクセスいただき、ありがとうございます。また、「校長室より」を訪れていただき、心より感謝いたします。
校長の灘野達人(なだのたつひと)です。生徒の皆さん、保護者の皆様、同窓生の皆様、そして地域の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 東温高校は、東に連峰石鎚を仰ぎ、南には緑に映える皿ヶ峰を眺める風光明媚な東温の地に、昭和23年12月1日、県立東温高等学校定時制課程農業科として、広大なクヌギ林を切り拓いて設立されました。校庭に残るクヌギ林の中にある記念碑「耕」には。「本校草創期、耕地を自ら拓き、樹木のごとく汗して、その耕の精神隆々と今に息づく」とあります。
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 現在、本校は創立76年目を迎え、普通科15クラス、商業科6クラスを有し、特色ある教育を実践しています。
 本校の重点努力目標は、今まで通り「生きる力をはぐくみ、共に学び高めあう教育の推進~社会に貢献できる人間性豊かな生徒の育成を目指して~」としました。そして、今年度からキャッチフレーズを「Go on Toon 𝄞 ~世界を広げる 好きを見つける」としました。東温高校はこれからも地域とともに進み続けます。また、マニュフェストのサブタイトルを「考える力と想像する力、やり抜く力の育成」としました。生徒達には、様々な学習を通じて考える力と想像する力を身につけ、最後までチャレンジし続けてほしいと思います。
 保護者の皆様、同窓生の皆様、そして地域の皆様、本校の教育活動に対するご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
                                          愛媛県立東温高等学校長 灘野 達人

校長日記

令和7年度 第1学期終業式 式辞

2025年7月18日 13時53分
校長室より

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令和7年度第1学期終業式式辞

 皆さん、おはようございます。皆さんにとってこの1学期はどのような1学期だったでしょうか?1年生の皆さんは、イメージしていた高校生活を送れているでしょうか?2・3年生の皆さんは学年が一つ上がることで何か成長を感じることができたでしょうか?
 この1学期も、東温高生の活躍が見られました。男子ソフトボール部が県総体で優勝し、岡山県津山市で行われるインターハイに出場します。陸上競技部宮脇君は四国総体で見事4位になり、広島県で行われるインターハイに出場します。また、全国商業高校英語スピーチコンテスト愛媛県予選で佐藤サワラさんが優勝し、9月に行われる全国大会に出場します。そして、コーラス部の松本悠里さんが香川県で行われる全国高校総文祭に出場します。東温高生の全国での活躍に期待しています。
 また、県総体や四国大会、そして高校野球でも最後まで諦めない姿を見せてくれました。誇りに思えました。
 そして、今年もあいさつが大変すばらしいと感じています。いろんな学校に訪問しますが、東温高の生徒のあいさつはどこにも負けないと思います。これからも相手がいい思いをするあいさつを心掛けてください。
 入学式と1学期始業式で私が言った言葉を覚えていますか?「考える力」と「想像する力」を身に付け、チャレンジし続け、最後まで「やり抜く力」を身に付けてほしいという話をしました。なぜ現代社会において、この3つが大切かを説明したいと思います。
 あるAさんの話をします。Aさんは中学生まで、勉強など一切せず不良行為を繰り返していたそうです。当然少年院に入ることになりました。そこで生まれて初めて勉強したそうです。すると自分の中に変化が生まれてきたそうです。もし誰かを殴ってケガをしたら、その人だけでなくその人の両親や兄弟、そして自分の家族が悲しむこと、もし万引きをしたら、そのお店で働く人に損失を与え、自分の家族に迷惑をかけることなどが想像できるようになったそうです。想像できるようになったことで、自分の犯した罪を後悔し、深く反省できたそうです。もっと勉強していくと、これからの自分の将来について想像し、考えることができるようになったそうです。勉強するまでは、頭の中で想像することができなく、考えることが面倒くさかったそうです。Aさんは、今塾を経営しているそうです。そして、生徒から「なぜ勉強しないといけないのですか?」と聞かれたらこの話をするそうです。
 せっかく勉強しても想像力をなくすものがあります。スマホです。「脳トレ」で有名な東北大学川島隆太教授(脳科学)は次のように警鐘を鳴らしています。「スマホを含むネット漬けの子どもほど、思考や創造のほか、人の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりするような高次なコミュニケーションをつかさどる前頭前野を中心に、脳が発達していないことがわかりました。記憶や学習に関わる海馬や、言葉に関係する領域などにも影響が見られます。」「スマホで動画を見ている時が最も抑制がかかり、寝ているような状態になります。スマホを使っていると集中力をどんどん保てなくなることも分かっています。アプリ自体が、次々と新たな情報が入り、注意がさまざまな方向に移るように作られています。例えば今はやっている10秒、20秒とういう尺の短い動画。集中力が保てずに考えることが苦手になれば、ネット情報をうのみにするしかありません。思考力を失っている人が増えているのでしょうか。」「スマホを使っているときは脳があまり活発に動いません。スマホは人間が楽をするための道具ですから、当然といえば当然です。」「中高生は、コミュニケーションに関わる前頭前野が特に発達する時期ですが、スマホで楽をしてしまえば、その発達が打ち消されてしまう可能性があります。」
 ただし、暗い話ばかりではありません。「脳は、悪い習慣を断ち切るだけで、機能が回復することもわかっています。つまり、スマホと上手に付き合えるようになれば、再び発達していきます。そして、勉強や読書で活字を読むことで傷んだ脳を治すことができるそうです。」
 最近のニュースを見ているとノリで、短絡的で、想像力のなさから起きる犯罪が増えてきているように思えます。皆さんが自分自身を、そして周りの家族や友達を守ったり、傷つけたりしないためにも、勉強や読書をすることで「想像する力」と「考える力」を身に付けてほしいと思います。この2つの力が身に付けば、あとは「やり抜く力」が大切になってきます。「やり抜く力」については次の機会に話したいと思います。
 皆さんが、この夏休みにいろんなことに挑戦したり、充電したりして8月28日(木)の2学期始業式に笑顔で元気いっぱいな姿を見せてくれることをお願いして、1学期終業式の挨拶とします。